お二人の対談は続く、その@
そもそも、(株)カントとサム・モレーノ氏との出会いは?
1980年頃、佐藤健雄氏は都内の原宿にあったメキシコレストランにふらりと寄ると、メキシコその他中南米の音楽を一人で弾き語るミュージシャンがいました。
その男に好きな曲を沢山リクエストすると、全てを受け入れてくれたのです。
実はその男が、サム・モレーノ氏。(写真左)
返し言葉ではないが、「この方がこんな曲までご存じとはと驚きました」。とはいえ、 サン・モレーノ氏はその場で全てを演奏できたのだから、さすがですよ。
将来、自分で日本人だけのマリアッチを編成したい、
との男の夢をよく語っていたという。
でも、「それって、40年以上前ですが?」と質問するや否や、お二人はもっと前の事も思い出したらしい。お店の名前を思い出せないと、そうじゃない、そうだっけ?などと二人だけで盛り上がる。
司会者としては、質問を続けたいところ。
(株)カントは1987年4月設立、35周年を迎えたところでしょう?
佐藤健雄(前社長)さんはカント創立前という事ですが?
佐藤健雄社長(当時)は、
その後(株)カントを設立し事業を順調に確立しつつも、都内数件の中南米系のレストランに(ファンとして)追っかけを続けます。
さらに、プライベートでご家族全員、また、社用でもカントの接待場所として国内外の客を案内。
中南米からのお客さんはみな満足。彼の発音、ギター歌の上手さに感心された。
サム・モレーノ氏(ヴォーカル&ギター)は、
1972年よりラテンアメリカ音楽研究のためメキシコで修行。彼らの持つ「土の香り漂う」音楽(ランチェラ)に魅せられる。その後、世界各国を放浪し1975年に帰国し、音楽界にデビュー。
情熱的でロマンティックに歌う「ランチェラ歌手」として高い評価を得、メキシコ放送協会から表彰を受ける。
2000年以降の活躍として、マリアッチ・サムライを結成。
世界マリアッチ大会に参加をはじめ、様々な活動により、在メキシコ日本大使館、日墨協会、アカプルコ市より感謝状をいただく。
その後、
佐藤氏のスペイン語、中南米学の恩師、田中辰之助先生を偲ぶ会(CORAZONの会)で弾き語りをしてくれたこと。
また、拓大のラテンアメリカ研究会(今だ幹部を務めている佐藤氏)のOB会の会合でも何回も出演してくれました。
カントの操業10周年(1997年)記念パーティにも、2020年の30周年パーティに、翌2021年12月に実質35周年記念を兼ねたパーティにも、お忙しいスケジュールを縫って全て出演してくださった。とのことで佐藤氏としては今更ならぬ感謝の連続でした。
まだまだありますが、こんな素晴らしい関係が築き上げられる過度期だったのでしょう。
やはりお二人の結びつきはラテン音楽。
(株)カントとしても貿易会社で、メキシコ文化との繋がりが深く、
佐藤健雄相談役はラテン音楽をこよなく愛する通人。
一方、サム氏は幼少の頃から、あのアイ・ジョージに憧れてこの道を選んだという。
お話を聞いていると、単なる利潤追求を超え、リスペクトし合う友情を感じます。この後、カント佐藤氏は応援団長として様々な企画運営を行っていくのです。いや、既に1993年には日経新聞の文化欄に、追って聖教新聞にも取り上げられています。(左右の写真)
次回につづく…
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